久保建英に期待したい「偽９番」。ただし、森保監督に選手ありきの戦術がとれるとは思えない (3ページ目)

　しかし、慎重な森保監督が、その選択を採用する可能性はゼロに近いだろう。また、クラブレベルでは熟成できる戦い方だが、代表はそこまで戦術が深まらない。言わば、絵に描いた餅だ。

　結局、久保はトップ下しか道がないのか――。

「選手ありき」

　森保監督は、そこに立ち帰るべきだろう。日本の４－３－３は固執するほど完成度が高いわけでもない。森保ジャパンの場合、守備の再建のためにセンターバックの前を補強しただけで、「やや格下を相手に守備を安定させた」に過ぎない。久保を筆頭に堂安律、中山のような実力派の左利き選手をピックアップし、今回はケガや国内組でメンバーから外れた三笘薫、上田綺世と融合させる道筋も一考の余地がある。

　久保の適性ポジションはあるが、実際に起用を決断するのは監督である。サウジアラビア戦で、森保監督が久保をどう使うか――。それはチームの命運も左右するかもしれない。