森保ジャパンに潜む3ボランチ好調の落とし穴。存在感が強まるほど増していく今後の不安
ワールドカップアジア最終予選で、日本は中国を2-0と下して4連勝。本大会への出場権獲得となるグループ2位を守った。
勝負という点では危なげない試合だった。
日本は圧倒的にボールを保持して中国陣内に攻め入り、中国にカウンターを許さず、失ったボールはすぐに奪回。早い時間にPKで先制できたことも、何の心配もなく、試合を見ていられた要因だろう。有り体に言えば、運も味方してくれたということだ。
加えて、対戦相手の中国選手からは驚くほど覇気が感じられなかった。
引いて守りを固めるわけでもなく、ファール覚悟で肉弾戦を挑んでくるわけでもない。試合後の記者会見でも、中国のリー・シャオペン監督からは「相手のリズムに適応することできなかった」、「2点目が大きかった」、「後半に反撃してとり返す可能性は小さかった」と、弱気な言葉ばかりが聞かれた。
内容はともかく、結果に関して言えば、この最終予選で日本が勝利した5試合のなかでも、最も安心して見ていられる試合だったのは間違いないだろう。
中国戦でも攻守ともに安定したプレーを見せていた田中碧この記事に関連する写真を見る 日本の成績が徐々に上向いてきた過程で存在感を強めているのが、4-3-3で実質的な3ボランチを形成する中盤トリオ、すなわち、遠藤航、守田英正、田中碧の3人だ。
昨年10月のオーストラリア戦で初めてそろって先発メンバーに名を連ねるや、日本はそこから4連勝。守田が「前の試合より、はるかによくなっている」と話すように、3人は試合を重ねるごとに、気の利いた連係を見せるようになっている。
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