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日本代表、最悪のスタート。森保采配は敗戦以上に大きな問題をもたらした (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 それはフル出場することになった大迫勇也についてもあてはまる。大迫は日本にふたりといない貴重な選手に違いないが、2022年11月まで不動のスタメンだとすれば、それは日本の力が2018年(ロシアW杯)以来、更新されていないことを意味する。できれば代わりになる選手を探したい。大迫をスーパーサブに留めるぐらいが理想だ。ベスト8を目指すなら、予選はそうした可能性を探る場としなければならない。

 グループで5番手と目される相手に、限りなく手堅い超現実的なメンバーで戦い、0-1で敗れた。オーストラリアやサウジアラビアならギリギリ許せるが、さすがに今回はマズいだろう。

 攻撃面で相手を圧倒できなかったことに、なによりショックを覚える。ホール支配率こそ61%対39%だったが、シュート数は10本対13本と上回られた。試合後、長友はインタビューに「引いてくる相手に苦戦した」と語っていた。そうだとすれば、歴代の代表キャップで2位を誇る長友には、自らサイドでコンビネーションの質を高める努力が求められる。

 相手が引いて構えてきた場合の常道は、まさしくサイド攻撃である。だが、森保ジャパンのサイド攻撃は、コンビネーションプレーが稚拙だ。個人のフィーリングに任せっきりなのが現状だ。コンビネーションプレーといえば、難易度の高いプレーに聞こえるが、日本人選手の技量をもってすれば、練習さえ積んでいれば約束事の一種になる。過去に使用した定番のプレーでも効果は十分期待できる。

 ところが森保ジャパンには、約束事もなければ、そこでコンビネーションを発揮しようとする意志が見えない。SBとウイング(左=長友と原口元気、古橋亨梧。右=酒井と伊東純也、堂安律)の関係を見れば一目瞭然。SBとウイングの関係にもう1人絡めば三角形のパスコースが完成するが、その三角形を作ろうとする意志が見えない。

 くり返すが、有機的な三角形が描ければ、日本人選手の技術をもってすれば、超一流のドリブルやフェイントがなくてもサイドを崩すことはできる。アバウトなクロスを蹴り込まずに済む。それができるはずなのに、その追求が全くなされていない。練習を積んだ気配さえ感じられない点に、サイド攻撃を軽視する森保監督像を見てとることができる。

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