中村憲剛、佐藤寿人の本音爆発「五輪代表で一番合っていたコンビは...」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 FWとすれば、動きを見てくれる人がどれだけいるかで、だいぶ変わってくる。動いても(ボールが)出てこないことが続けば、次第に行けなくなっていくんですよ。

中村 たしかに、どちらかというと、お膳立てするよりも自分でとりたい選手を配置したからね。そうやって海外で生き残る術(すべ)を模索している選手たちだから、当然なんだけど。

佐藤 斜めにカットインした時に、FWは走るじゃないですか。その時に顔を上げて見てくれる選手と、ゴールしか見ていない選手の差は顕著に出ますよね。動いてスペースを作って、空いたところにパスを通すことがあればよかったんですけど、空いたところにただ自分で行くだけになっていたのは、ちょっと残念でしたよ。

---- 2列目に得点力を求めるのは、これまでの日本代表もそうでした。

中村 僕はFW出身者じゃないけど、最終的にFWが点をとるチームじゃないと勝てないし、上には行けないと思うんです。

佐藤 アルゼンチンとの強化試合では、林(大地)が決めたじゃないですか。まさにストライカーとしての仕事をしてチームを救ったわけですけど、後にも先にも林がストライカーらしかったのは、あのシーンくらいだけ。

中村 林もあの時は入ってきたばかりで、ファーストプライオリティはゴールだったと思います。もちろん五輪でもそうだったと思うけど、試合を重ねていくなかで、違う部分に力を注ぐ形になってしまったのかなと。

 個人的に一番合っているなと感じられたのは、(三笘)薫と上田のコンビ。彼らは大学時代から一緒にやっていたのもあって、イメージを共有できていましたよね。メキシコ戦ではふたりで3つくらい、決定機を生み出していましたから。

 明らかに優位性を作り出していたのは薫だったので、彼が前を向いてボールを持てれば、みんながゴールに向かっていく形になっていた。フロンターレ出身者としては、あれは痛快でしたけど。

---- 今大会では準々決勝でPK戦の末にニュージーランドに勝ちましたけど、日本はワールドカップも含め、決勝トーナメントでなかなか勝つことができません。グループリーグと決勝トーナメントとでは、戦い方を変える必要があるのでしょうか?

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