中村憲剛と佐藤寿人の五輪総括「前田大然をなぜ前で使わなかったの?」
中村憲剛×佐藤寿人
第5回「日本サッカー向上委員会」@前編
1980年生まれの中村憲剛と、1982年生まれの佐藤寿人。2020年シーズンかぎりでユニフォームを脱いだふたりのレジェンドは、現役時代から仲がいい。気の置けない関係だから、彼らが交わすトークは本音ばかりだ。ならば、ふたりに日本サッカーについて語り合ってもらえれば、もっといい未来が見えてくるのではないか。飾らない言葉が飛び交う「日本サッカー向上委員会」、第5回はU−24日本代表の東京オリンピック総括と、これからスタートするW杯アジア最終予選について語ってもらった。
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東京五輪ではサイドハーフで起用された前田大然この記事に関連する写真を見る---- 東京オリンピックでU−24日本代表は4位という結果に終わりました。残念ながらメダルには一歩届きませんでしたが、おふたりは今大会の日本をどのように評価されていますか。
佐藤 よくやった、とは言えないですね。
中村 おっと、いきなり辛口だね(笑)。
佐藤 憲剛くんはよくやったと思います? 僕は期待感が高かった分、メダルが獲れなかったことに、悔しかった気持ちのほうが大きいです。
グループリーグであれだけいい戦いを見せたのに、決勝トーナメントに入ったら急にトーンダウンしてしまった。本当にメダルを獲れると思っていたので、やっぱり、よくやったとは言えないですよ。
中村 なるほど。そういう意見があるのは当然なこと。個人的には、よくやったというところと、まだまだだなというところの、半々の気持ちです。
グループリーグはほぼパーフェクトだったと思いますが、三笘(薫)や上田(綺世)、冨安(健洋)のケガもあって、中2日で続く6連戦でメンバーをうまくローテーションできずに固定せざるを得なくなったのが痛かったですし、決勝トーナメントの戦いにしわ寄せがきてしまったと思います。
もちろん、決勝トーナメントまで行けたことで日本の現在地を測ることができたのは、よかった部分。スペイン戦を見るかぎりは、まだまだ道のりは遠いなと感じられたけど、それも、そこまで行けたからこそ知れたこと。そういう意味ではよくやったと思います。
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