こんな勝ち方もできるのか。U-24日本代表がメキシコ戦で見せた「強者のサッカー」 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 日本は2連勝でグループAの首位に立った。

 1996年アトランタ五輪以降、日本がグループリーグ初戦から2連勝したことは、2000年シドニー五輪、2012年ロンドン五輪と2度あるが、いずれも決勝トーナメントに進出している。

 今大会もまた、フランスとの第3戦で引き分け以上はもちろん、負けても1点差までなら自力でグループリーグ突破が決定。2点差以上で負けた場合でも、メキシコvs南アフリカの試合結果次第で突破の可能性を残す。

「何も決まっていない。(第3戦で)負けたら、最悪3位で敗退の可能性もある」(久保)のは確かだが、かなり有利な状態でグループリーグ最終戦に臨めるのもまた事実だ。

 最後に対戦するフランスは、第2戦で南アフリカとの激しい打ち合いを制し、4-3で勝利したものの、チームとしての戦い方はかなりお粗末。2試合で7失点という数字が、それを物語っている。

 ここまで大会4ゴールのFWアンドレ・ピエール・ジニャックら、高い個人能力に"一発"の怖さはあるとはいえ、前が攻めて後ろが守り、ボランチのふたりが必死で間をつなぐ、という大雑把なチームである。対照的にチームとしてかなり熟成されてきた今の日本にとって、このグループの3チームの中では最も戦いやすい相手と言えるかもしれない。

 日本が五輪のグループリーグで2連勝するのは、これが3度目になるが、3連勝はまだない。ロンドン五輪での2勝1分けが、グループリーグでの最高成績だ。

 決勝トーナメント進出を決めることはもちろん、メンバーを入れ替え、余力を残しながら3連勝。それができれば、文句なしのグループリーグの結果である。

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