U-24日本代表、順調すぎるこその不安。吉田麻也「こんなもんじゃないだろう」
まずは、さすがスペインである。
来日からまだ間もなく、ユーロでの戦いで蓄積した疲労が抜け切らない選手もいただろう。加えて、ヨーロッパとは異なるじっとりとした暑さにも適応しなければならない。
それだけに、優勝候補のスペインと言えども、まだまだ本調子にはほど遠い内容になる可能性もあるだろうと思っていたが、そんな心配はまるで無用だった。
ピッチ上の選手それぞれが絶妙な立ち位置を取り、テンポよくパスをつなぐ。そうしたスペインらしいサッカーは90分間、前後半で大きく選手が入れ替わってもなお、ほとんど変わることなく繰り広げられた。
強豪スペインとも対戦し、本番に向けて申し分のない準備ができたU-24日本代表この記事に関連する写真を見る しかし、裏を返せば、日本にとっては東京五輪前最後の試合で、文句なしの相手と対戦できたということでもある。
U-24日本代表は、今年6月からオーバーエイジ(OA)枠の3選手を加えて活動してきたが、その間の試合では、基本的には日本がボールを保持し続けることができ、ピンチらしいピンチもほとんどなかった。
日本の試合内容がよかったのは間違いないにしても、3-1で勝利したホンジュラス戦を除けば、勝負という点で歯ごたえに欠ける試合ばかりだったのは確かである。
もちろん、相手が弱ければいい試合ができるというほど、サッカーは単純なものではない。日本がやるべきことをやり、チームとしての戦い方を固めてきたからこその結果ではあるのだが、もっと相手が強くなったらどうなるのか。そんな疑問が少なからず残っていたことも否めない。
だからこそ、スペイン戦が重要だった。
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