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U-24日本代表、順調すぎるこその不安。吉田麻也「こんなもんじゃないだろう」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 東京五輪のグループリーグ初戦を5日後に控えた最後の実戦。できることなら、もう少しマイボールの時間を作りたかったところではあるが、ほぼ狙いどおりの試合ができたと言っていいだろう。

 本番に疲労を残さないよう、登録メンバーのほとんどが順番にピッチに立ちながらも、少ないチャンスを生かして先制点を奪い、守備でも大きな破綻をきたすことはなかった。

 結果は1-1の引き分け。内容的に言えば、スペインの判定勝ちといったところだろうが、「粘り強く戦いながら、得点チャンスをうかがう戦いをしっかりやってくれた」と森保一監督。準備の最終段階としては、順調な仕上がりを見せたと言える。

 試合後、選手から充実感をともなった言葉が聞かれたのも、相応の手応えがあればこそ、だろう。

「後半もできれば踏ん張って1-0で終われればよかったが、本選でもある(難しい)試合。それを1-1で終えられたのはポジティブなこと」(MF板倉滉)

「個人的な感覚だが、(ボールを)持たれているというより、持たせている守備がしっかりできた。そこが前半の途中からよくなった」(DF旗手怜央)

 日本は東京五輪で金メダル獲得を目標に掲げているとはいえ、他国を圧倒的にねじ伏せて優勝できる力があると思っているわけではない。まして、その力を短期間で身につけられると考えているはずもない。

 むしろ自分たちより実力上位の相手がいることは承知のうえで、他国ができない周到な準備を施し、ホームアドバンテージも味方につけ、番狂わせを狙っている。そんな表現のほうが現実に即している。

 この1年ほどを振り返ると、日本はコロナ禍に見舞われながらも、積極的な強化を進めてきた。

 昨秋はU-23代表としての活動こそなかったものの、A代表が行なった2度のヨーロッパキャンプに多くの五輪世代の選手が参加した。チームの体裁としてはA代表でも、ピッチ内には(OA枠で加わった3人も含め)U-23代表の選手によるユニットがあちこちに生まれ、実質的に東京五輪へ向けた強化にもつながった。

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