U-24日本代表、順調すぎるこその不安。吉田麻也「こんなもんじゃないだろう」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 さらには、今年3月にアルゼンチン、同6月にはガーナ、ジャマイカを招き、親善試合を行なった。とりわけ東京五輪にも出場する南米の強豪アルゼンチンとの2連戦は、国際試合から遠ざかっていた選手たちにとって、高いレベルで実戦感覚を取り戻すにはもってこいの機会となった。

 そして、大会直前の今回、いずれも東京五輪に出場するホンジュラス、スペインと対戦。五輪本番への準備としては、ホームアドバンテージを含め、他国を一歩も二歩も先行していることは間違いない。

 あえて不安要素を挙げるなら、ここまでことがうまく進みすぎているということくらいだろうか。

 過去のワールドカップを振り返っても、得てして臨戦過程に不安があった時のほうが、不思議と日本は好結果を残している。好事魔多しではないが、順調に準備が進んでいるからこそ、逆に不安がないわけではない。

「手応えもありつつ、(本番は)こんなもんじゃないだろうと現実的に、客観的に見ている自分もいる」

 キャプテンのDF吉田麻也がそう話し、「気を引き締めて本大会に臨みたい」と語るのもうなずけるところだ。

 いずれにしても、ここまでの準備はほぼ完璧と言っていい。MF三笘薫のコンディションが少々気になるところではあるが、その一方で、リハビリメニューが続いていたFW上田綺世がケガから復帰。大きなアクシデントはなく、本番を迎えることができそうだ。

 森保監督が語る。

「金メダルが目標のなか、(本番では)厳しい戦いが待っている。多くの選手が厳しい戦いを、(スペインという)このレベルの相手とできたことはよかった」

 優勝候補との絶好のスパーリングを最後に、日本はいよいよ本番のピッチへと向かうことになる。

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