田中碧が五輪でA代表ユニットとプレーすることの真のメリットとは
田中碧にとっては、望外のチャンス到来と言ってもいいだろう。
単に東京五輪出場やメダル獲得のチャンスというだけではない、その後にもかなり直接的につながりそうな絶好機がやってきている。
90分間、際立ったプレーを見せていた田中碧この記事に関連する写真を見る U-24日本代表が先発メンバーにオーバーエイジ(OA)枠の3選手をそろえ、初めて行なった国際試合。日本はガーナに6-0で大勝した。
相手のガーナは一応U-24代表を名乗ってはいるものの、実際の年齢は"U-20代表プラスアルファ"といったところ。時折アフリカ勢らしいスピードと力強さを見せてはいたが、技術的にも戦術的にも粗さが目につき、勝負という点で物足りない相手だったのは間違いない。
だが、そうした材料を割り引いてもなお、明らかに際立ったプレーを、しかも90分間コンスタントに見せていたのが、ボランチに入ったMF田中だった。
「一昨日(6月3日)のA代表との試合で(プレー強度に)すごい差を感じた部分がある。日本のトップの選手とは土俵が違うと感じた」
田中はそう話し、「正直、今までの人生で一番悔しい」とまで言う。
しかし、転んでもただでは起きないことは、いい選手になるために必要な条件だ。「この前の試合が生きた。(0-3の敗戦も)決して無駄ではなかった」と田中。Jリーグ史上最強とも評される川崎フロンターレで現在、押しも押されもせぬ主力として活躍している22歳のボランチは、舞台が国際試合に変わっても彼らしいプレーを存分に発揮していた。
力強いボール奪取。素早い攻守の切り替え。広い視野から繰り出される縦横自在のパス。
あとは、何度かあったミドルシュートのチャンスを1本でも決めていれば、パーフェクトな内容と賞賛していいほどだった。
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