2021.06.07

中澤佑二vs闘莉王。歴代最高のCBはどっち? 対戦FW前田遼一が2人の特徴を徹底比較

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by AFLO

日本サッカーの歴代センターバックで最高峰と今も高く評価されている、中澤佑二と田中マルクス闘莉王。いったい2人はどちらが優れていたのだろうか? 日本代表で共にプレーし、Jリーグでは彼らと幾度となくマッチアップしてきた前田遼一氏(現ジュビロ磐田U-18コーチ)に、「タイプが違う」という2人の特徴を詳しく語ってもらった。

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2010年南アフリカW杯で大活躍した、中澤佑二(写真中央)と田中マルクス闘莉王(同右)のコンビ2010年南アフリカW杯で大活躍した、中澤佑二(写真中央)と田中マルクス闘莉王(同右)のコンビ この記事に関連する写真を見る  中澤佑二と田中マルクス闘莉王と言えば、文字どおり日本を代表するセンターバック(CB)です。互いにタイプの違うDFで、そんな2人がコンビを組むからこそ、それぞれの強みが生き、相乗効果でより強固な日本代表の守備を築いていたのだと思います。

 2人の違いをひと言で表すと、"動く佑二さん"と"待つ闘莉王"というイメージになります。僕が対戦した時の印象を交えて、比較してみたいと思います。

 まずは、いちばんわかりやすい"競り合い"の局面です。

 佑二さんは良いポジションを取った状態から、来たボールに対してアタックしたり、奪いにくるタイプです。ボールに対して足を出せるタイミングや、相手の前に体を入れるタイミングを常に狙っていました。ポジショニングが良いので、いつも先手を取られてしまう印象が強く残っています。

 球際では、力よりタイミングで勝負してきます。体をぶつけ合う時も力任せではなく、良いタイミングで体をぶつけて相手の軸を崩し、自分優位な状況に持っていくのが佑二さんのスタイルです。その上で体の強さも日本トップクラスなので、非常に手強い相手でした。

 僕は味方DFからのロングボールを収めるのが、得意なプレーの一つでした。例えば苦し紛れのクリアボールでも、あらかじめ「ここへ来そうだな」と予測して準備していました。そういうボールは、DFによっては「来ないだろう」と思っている人もいるので、その場合僕が優位に進められます。

 でも佑二さんがこうした場面で準備を怠ることは、まずありません。ボールが入ると鋭く寄せてくるので、優位にボールを収めるのは難しくなります。集中を切らさず、気を抜かないのはDFにとって当たり前なんですが、意外とできていない選手は多い。でも、そこで油断しない佑二さん相手に、僕がボールを収められた記憶はほとんどないですね。