上田綺世をスペインの名指導者が称賛「プレーの本質を理解している」
「日本にとって、今回のガーナはイージーな相手だった。しかし、そこで見せたプレーの質の高さは正しく評価されるべきだ」
スペインの"目利き"ミケル・エチャリは開口一番、U―24日本代表がU―24ガーナ代表を6-0と大差で下したゲームをそう評した。
エチャリはレアル・ソシエダなどのトップクラブで、強化部長など様々な役職を務めてきたが、そのスカウティング力の高さで知られる。ホセバ・エチェベリア、フランシスコ・デ・ペドロ、シャビ・アロンソ、ハビ・マルティネス、イケル・ムニアインなどスペイン代表選手たちからの信頼も厚い。そのアドバイスが的確だからだ。
「日本がいい準備をし、いいプレーをしたことは間違いない。試合を通じて、攻守のバランスを失わなかった。攻撃的なチームで、たくさんの選手が関わって、お互いでスペースを作り、与え、使い、得点を生み出していた。6点目のゴールなど象徴的だろう」
東京五輪を戦うU-24日本代表のプレーを、エチャリは丁寧に解説した。
「日本は4-2-3-1を採用し、序盤からイニシアチブを握っている。1トップの上田綺世を筆頭に守備の圧力が強く、敵陣でのプレーを可能にしていた。上田が敵陣奥深くでボールを奪い、そのパスをエリア内で受けた久保建英がシュートに持ち込むシーンもあった。
右サイドバックの酒井宏樹はオーバーエイジの選手として、違いを見せたと言えるだろう。機を見るに敏な攻め上がりは効果的で、力強さも満点。堂安律や久保とのコンビネーションを作り出し、右サイドからの攻撃でガーナを圧迫している。
前半15分、久保が右サイドからシュートを放ち、GKが弾いたところ、堂安が左足ボレーで叩き込んでいる。2人は、技術的な高さを示した。得点は展開を考えれば必然だった」
U-24ガーナ代表戦に1トップで先発した上田綺世この記事に関連する写真を見る エチャリのスカウティングメモは淡々と状況を説明しながらも、ひとりの選手のプレーに熱がこもる。
「上田は前線で、積極的にボールを呼び込もうとしていた。サイドに流れ、空中戦にも積極的にトライ。必ずしも勝ってはいないのだが、その姿勢が前へ勢いを与えていた。細かく見た場合、世界標準ではまだターンに改善の余地はある選手だろう。しかし、ボールを受けて走るときのパワーは抜群。何より、プレーの本質を理解しているストライカーだ。
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