久保建英と上田綺世ではコンビに難。U-24代表の前線4人の並べ方はこれでいいのか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 先発11人の平均年齢は20.1歳。U-24ガーナ代表には、オーバーエイジの選手はひとりも含まれていなかった。11人の平均年齢が24.3歳で、その中にオーバーエイジの3人が、がっちり組み込まれているU-24日本代表が大勝を飾るのは、当然と言えば当然だった。

 両国の正確な力関係を推し量ることができなかった試合。釣り合いが取れていないミスマッチといっても過言ではない。五輪代表選手の最終的な選考の場として、相応しかったのか。これで公平な判断は可能なのか。疑問が残る。

 吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航。オーバーエイジの3人が合流して初めて迎えた一戦である。なにより、彼らのプレーに注目が集まった。しかし、ガーナに攻め込まれたケースはごくわずか。特段、負荷がかからなかった彼らには、楽すぎるデビュー戦だっただろう。

 もう少し強い相手と戦わないと、3人と周囲の関係を正しく分析することはできないのだ。もう1回、日本代表と戦ったほうが何倍も有益だったとは、現場で抱いた正直な感想である。

 関心はおのずと、プレーの機会が多いアタッカー陣に集中することになった。

日本代表戦に続いてU-24ガーナ代表戦に先発、2点目のゴールを決めた久保建英日本代表戦に続いてU-24ガーナ代表戦に先発、2点目のゴールを決めた久保建英 布陣は4-2-3-1。このチームが定番として使用してきた3-4-2-1は、五輪イヤーに入るや使用されなくなった。使用を断念したということなのか。明快な説明がないままに前に進もうとしていることに、これまた大きな疑問を覚えるが、それはともかく、五輪本番まで残り3試合を残すものの、実質的な代表レースは、このガーナ戦を含めて残り2試合だ。そこで、オーバーエイジ3人とともに先発を飾った8人は、監督から評価されている選手と考えることができる。当確とまでは言わないが、それに近い位置にいる選手であることは間違いない。

 ガーナ戦に4-2-3-1の「3」として先発したのは、左から相馬勇紀、久保建英、堂安律。1トップには上田綺世が抜擢された。

 3-4-2-1では、アタッカーは3人だが、4-2-3-1では4人。ここに来ての布陣変更は、アタッカー陣には増枠を意味する歓迎すべき選択になる。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る