2021.05.31

森保Jミャンマー戦とモンゴル戦を比較。同じ大勝でもデータに大きな違い

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 モンゴル戦では、右SBの松原健が積極的に攻撃参加し、右ウイングの伊東純也とともに多数のクロスを供給。松原は前半と後半でそれぞれ5本、伊東は前半に7本、後半には13本のクロスを記録した。

 しかしミャンマー戦では、右SB酒井宏樹が攻撃参加を自重し、クロスを1本も供給せずに前半で退いている。唯一の攻撃参加は、前半30分に相手ボックス内でファールをもらってPKを獲得したシーン。このような例は過去に見られなかったが、おそらく酒井は、左サイドの長友が高い位置をとることが多かったため、全体のバランスをとっていたのだろう。

 後半から出場した右SB室屋成が4本のクロスを供給し、そのうち2本をゴールにつなげていることを考えても、とくにチームとして右SBの攻撃参加を控えたとは考えにくい。

 また、右ウイングの伊東が前半の立ち上がりから相手の左センターバックの背後を狙うべく、斜めに走ってボールをもらうシーンが目立っていた。ゴールには結びつかなかったが、11分、14分、20分、22分、34分(オフサイド)と、前半だけで5回も試みている。これは、モンゴル戦を含め、これまでにあまり見られなかった傾向だ。

 ただし、この攻撃パターンが相手に読まれるようになった後は、いつものように右サイドからクロスを供給するプレーに切り替え、30分以降に4本を記録。それ以前の2本も含め、前半は6本のクロスを供給している(後半は2本)。

 左サイドは左ウイングの南野拓実が内側にポジションをとり、大外から左SBの長友が攻撃参加するパターンが目立った。とはいえ、長友が前半に記録したクロスは意外と少なく、2点目のアシストになった22分のクロスと、27分の計2本のみ。後半もクロス3本に終わっている。

 これをモンゴル戦の左SB小川諒也と比較してみると、小川はその試合の前半で7本、後半に2本の計9本を供給。数字は上回っているが、アシストを含めて試合に与えた影響という視点から見ると、まだ長友には及んでいないとするのが妥当な評価だろう。