日本人No.1ドリブラーは誰か。元日本代表のレジェンドがトップ10を決定 (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by AFLO

3位 伊東純也(ゲンク)

 近年、右サイドから左利きの選手がカットインで突破するのが主流になってきているなかで、伊東純也のように右利きで縦に突破できる選手は貴重だと思います。ワイドに張って勝負ができれば、チームとしてハーフスペース(サイドと中央の間)の使い方にも変化が生まれてくるでしょう。

 彼のように純粋に縦突破ができるドリブラーは、日本だけではなく、海外含めてもそれほど多くはないタイプだと思います。スペインのヘスス・ナバス(セビージャ)、イタリアで言えばアントニオ・カンドレーバ(サンプドリア)のように、縦にグイグイいけるドリブラーは見ていても面白いですよね。

 ベルギーのゲンクでは得点能力も発揮していて、プレーの幅や質がさらに向上している印象です。これでクロスの質がもう少し向上すれば、もっと上のレベルの選手になれるでしょう。日本代表でも同タイプの選手はいないので、先発で使うのはもちろんだけど、ベンチに置いてジョーカーとして起用しても面白い存在だと思います。

2位 松井大輔(サイゴンFC)

 松井はトリッキーな仕掛けに秀でた選手です。普通の選手とは違う幅、間合いを持っていて、相手が予想もしないタッチで裏をとれるタイプ。2010年南アフリカW杯では、右ウイングで大きく貢献したドリブラーですね。

 フランスのリーグ・アンで活躍できたのが、個人的には評価したいところです。フランスはアフリカ系の選手が多くて、日本人とは足の出方とかスピードが全然違うなかで、あれだけドリブルで勝負できていたのはすごいことだと思います。

 それからフランスは荒いピッチも多く、ドリブラーとしては決してやりやすいとは言えない環境です。でも、南米の選手、とくにディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン)なんかもそうでしたが、凸凹のピッチでどこでボールがバウンドするかわからないようなところを普通にドリブルしていくんです。彼らは弾んだボールへの反応が早いし、タッチが柔らかくて正確だから、どんなピッチでも普通にドリブルできてしまうんですよね。

 そういうピッチでもドリブルで突破できるのは、本当にテクニックがある証拠。松井もフランスであれだけ活躍できたのは、本物のテクニックを持ったドリブラーだということですね。

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