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岡田武史が森保一監督は「いいリーダーになる」と期待。その理由とは (3ページ目)

  • 村上佳代●取材・文 text by Kayo Murakami
  • photo by AFLO

優れたリーダーの条件

遠藤 岡田さんはさきほど(前編)、「監督時代は強引に引っ張っていくリーダーだった」とおっしゃっていましたが、これからの時代はどういうリーダーが必要だと思いますか?

岡田 100人100通りのリーダーシップがあっていいと思っています。そのなかでリーダーに一番必要なものは何かと言われれば、「本質を見極める力」と「ゴールに向かって邁進する胆力」。本当の危機が起きたときに何が今一番大切なのかを見極めて、そこに邁進するというのが大事だと思います。

遠藤 物事が滞っているときに、するべきことの優先順位をつけられないケースは企業のトップにもよくあります。でも、優れたリーダーというのは、何が一番大事かをはっきりと示せる。先が読めない時代だからこそ、言い切る強さは必要ですよね。

岡田 当然リスクがあるので、見極めるにはやっぱり覚悟がないとね。何が起こるかわからないときに、中期計画に従っていたら会社は潰れるでしょう。今起きていることをどう捉えるか、そして、自信を持って実行できるかが大事ですね。

遠藤 アメリカでは、「リーダーの洞察力と組織のケイパビリティの両方を持つ会社しか生き残れない」と言われています。リーダーだけでは組織は回らないので、組織の柔軟性や実行のスピード、学習のスピードなどを高めていかないといけない、という意味です。トヨタやGAFA(Google、Amazon、Facebook、Appleの総称)が強いのも、ケイパビリティが圧倒的に高いからです。

岡田 それは、教育によるものですか? 文化によるものですか?

遠藤 ベースは文化です。風土を作っていかないとケイパビリティは構築できません。Googleでは「プレイワーク」という言い方をしていて、まるで遊ぶかのように働くという文化がありますよね。クリエイティブで、非常にケイパビリティが高い。日本でも一部の企業はケイパビリティが高いですが、まだまだ少ないと感じています。

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