2021.03.15

岡田武史が語る98年W杯カズ落選の真相「徹底的にシミュレーションした」

  • 村上佳代●取材・文 text by Kayo Murakami

マネジメントの極意
岡田武史×遠藤功対談(前編)

経営コンサルタント・遠藤功氏と、スポーツキャリアを異ジャンルに生かすリーダーの対談企画「マネジメントの極意」。今回のゲストは、元サッカー日本代表監督で、現在は株式会社今治.夢スポーツの代表取締役を務める岡田武史氏。監督として、経営者として、"大決断"を下してきた岡田流リーダーシップに迫る。

写真左が岡田武史氏、右が遠藤功氏。対談はオンラインで行なわれた。

岡田氏が描く新スタジアム構想

遠藤功(以下:遠藤) FC今治のオーナーに就任して、まもなく7年目ですね。Jリーグではコロナ禍で無観客試合になったり、企業がパートナー契約を解除したりして、資金繰りが大変なチームも多いと聞きます。

岡田武史(以下:岡田) 昨年8月時点で、Jリーグ全56クラブ中、約8割が赤字になると予測されていました。ただ、FC今治に関して言えば、最終的に6000万円くらいの黒字になりそうです。

遠藤 この状況下で黒字というのはすごいですね。FC今治では、現在どんなことに挑戦しているんですか?

岡田 新スタジアムを建てる計画を進めていて、とにかく資金調達に奔走しています。スポンサーにお金を出してもらうには"ストーリー"が必要なんです。僕らが目指しているのは、サッカーの試合をするだけではなく、365日人が集い、緑が豊かで人々の心の拠り所になるような「里山のスタジアム」。各地を飛び回って、「今治に来たら自然と元気になれるようなスタジアムを作りたい」と話しています。

遠藤 ストーリーを語れるというのは、経営者にとって必須の資質だと思います。投資する側は、お金になる・ならないに加えて、ビジョンに共感するか・しないかも大きな判断軸になりますから。ちなみに、岡田さんはどんなビジョンを描いたんですか?

岡田 僕は数字で表せるものや目の前のお金ではなく、共感や信頼を大事に経営していこうと。先輩経営者から「お前は甘い、経営をわかってない」とさんざん言われましたが、コロナ禍になって、やっぱり間違ってなかったなと思いましたね。うちはパートナー企業さんが1社も降りなかったので。

遠藤 なるほど。出資者も「里山のスタジアム」を見たい、実現させたいという思いがあるんでしょうね。そうやってストーリーに人々を巻き込んでいくのは、まさに経営者の醍醐味だと思います。