坪井慶介が選ぶ日本人センターバックトップ10。歴代1位は? (3ページ目)
坪井氏が長くコンビを組んだ闘莉王は、「ゲームの流れを読む力」に優れていた5位 田中マルクス闘莉王(元浦和レッズほか)
浦和レッズで長く共にプレーした、闘莉王を入れないわけにはいかないですね。僕は現役の頃、DFは点なんて取れなくていいと言っていましたが、じつは闘莉王のことを「お前はいつも上がって、点取れていいよな」と羨ましく思っていました。
彼はDFとしてスピードがあったわけではないけれど、そのぶん判断が抜群に良いんですよ。レッズの試合をよく見てきた人は「闘莉王また上がってるよ」とか、「あいついつも前線にいるよな」とか、そう思っていたかもしれない(笑)。
でも彼が上がるタイミングを間違えることはなく、周りの選手もしっかりカバーする意識を共有できていたから、守備に穴が開くことはありませんでした。「いま自分が上がることでチャンスになる」という、ゲームの流れを読む力は彼の秀でた能力の一つです。
自分も攻撃に参加しようと、試合のなかで1、2度上がる時がありましたが、いつも「ツボ、今は行くな!」と止められていましたね(笑)。でも僕が彼を止めることは一度もありませんでした。
それから彼の足元の技術も、レッズや日本代表にとって間違いなく強みでした。チームとしても個人としても彼のフィード能力には大いに頼っていました。隣にいて、そうした彼のストロングをどう生かすかをいつも考えていましたね。
◆2006年の浦和レッズ、戦力充実で必然の優勝。ダイナミズムが魅力だった>>
4位 中澤佑二(元横浜F・マリノスほか)
佑二さんも、言わずと知れた日本を代表するセンターバック。フィジカルやヘディングの強さは歴代の代表DFのなかでも最高クラスだと思います。守備ではドシッと構えて跳ね返し、対人の強さは抜群。攻撃でもセットプレーで何度も点を取り、攻守において並外れた存在感がありました。
やはり代名詞の"ボンバーヘッド"は強く印象に残っています。驚異的な跳躍力からあの長い髪を振りかざして叩くヘディングはとにかく強烈。そうした派手さだけではなく、ヘディングのセンスや飛ぶタイミングも本当に巧みでしたね。
現役の頃は口にはしませんでしたけど、自分にはないものをたくさん持っていたので、闘莉王と同様に佑二さんのことも羨ましいと思っていました。代表ではお互いのストロングが違うので役割がはっきりとしていて、佑二さんと組むのは本当にやりやすかったですね。
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