2020.11.14

パナマ戦苦戦の原因は指揮官にあり。
初歩的なことが徹底されてない

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

 1トップ(南野拓実)の脇で構える2シャドー(久保建英/左、三好康児/右)が、内にポジションを取れば取るほど、相手の両サイドバック(SB)のマークは疎かになる。攻撃参加を許しやすい状態になる。日本はサイドで数的不利に陥るので、両ウイングバック(長友佑都/左、室屋成/右)も、自ずと下がり気味になる。

 だが、前半の日本が、必ずしもそうした状態に陥っていたわけではなかった。久保と三好は、相手のSBの攻め上がりを警戒し、相手ボールに転じるや、勤勉に開いて構えたものだ。ところが、それでも、日本の両ウイングバックは下がってしまった。特段、下がる必要がないのに下がってしまったのだ。

 3バックは相手ボールになると、どんな状況でも5バックになるものだという感覚が、身体に染み付いているかのような、それはオートマチックな動きに見えた。繰り返すが、さして強そうには見えないパナマに対してである。

◆「福田正博が語る欧州組日本代表の将来性」>>

 あまりにも初歩的なことが徹底されていないこの惨状。選手の責任と言うより、監督の責任と言うべきだろう。日本代表サッカー史において、3バックで戦っても、そうならなかった試合があるからだ。オシムジャパンがそうだった。3バックを敷いても、最終ラインに人がダブつくことはなかった。

 可変式3バック(4-3-3→3-4-3)を敷いたアギーレジャパンしかり。効率的かつ攻撃的。3バックのレベルは、こちらの方が圧倒的に高かった。アギーレジャパン時代からスタメンを張っていた長友に森保サッカーとの違いを訊ねれば、雄弁に答えるのではないだろうか。もちろん、オフレコでという条件はつくだろうが。3バックの概念及びアプローチの仕方が、森保監督とオシム、アギーレでは決定的に違うのだ。

 オシムジャパン(2006年~2007年)はすでに10年以上前で、アギーレジャパン(2014年~2015年)にしても5年以上前の話だ。

 いまさらこのサッカーですか......と嘆きたくなる。森保監督がこの先も、現在の概念で指揮を取るつもりなら、代表チームの時計の針は進んでいかない。可能性を感じないので、解任すべきではないかと思う。