欧州組日本代表の「将来性ナンバーワン」は久保建英か?冨安健洋か?

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

福田正博 フットボール原論

■ヨーロッパの各国リーグは序盤戦を終え、日本人選手たちの動向も見えてきた。欧州でプレーする選手たちだけで日本代表が組めるほど、多くの選手がプレーしているが、その活躍ぶりはどうだろうか。福田正博氏が評価した。

 ヨーロッパ各国リーグの序盤戦が終わったが、もっとも注目しているのがリバプールの南野拓実だ。ヨーロッパでプレーする日本人選手が海外組と一括に言われるなか、南野だけが、世界の頂点に立つビッグクラブに身を置いている。

ビジャレアルでの活躍が期待されている久保建英ビジャレアルでの活躍が期待されている久保建英 リバプールへの移籍が、昨シーズン途中の1月だったこともあって、チームにフィットするのに難しさもあったようだが、今シーズンはキャンプから存在を着実にアピールできている。ただ、カップ戦ではスタメン出場しているが、リーグ戦やチャンピオンズリーグ(CL)ではまだスタメン出場の機会はない。

 彼がポジション争いをしているのは、ブラジル代表FWのロベルト・フィルミーノであり、最近はディオゴ・ジョタ(ポルトガル)という得点力のあるライバルも現れた。そう容易く出番を奪えるわけではないが、このレベルで日本人選手がポジション争いをしているのは、マンチェスター・ユナイテッド在籍時の香川真司以来と言える。

 南野の変化が目に見えて感じられたのが、先月の日本代表戦だった。自信が漲っていて、ピッチでの振る舞いも昨年までと大きく変わっていた。「これが世界最高峰のクラブでプレーする効果なのか」と思わされたものだ。

 世界トップレベルの選手たちのなかで日常的に揉まれながら、クオリティーや意識を高めている南野に、ほかの日本人選手が追いついていければ、日本代表はさらに将来に希望の持てるチームになる。

 ビジャレアルの久保建英は、注目度はすでに南野を凌いでいる感もある。だが、クラブの格で言えばリバプールに比べてビジャレアルは一段落ちる。それでもヨーロッパリーグ(EL)も戦うチームのなかで、久保が今シーズンどこまで成長できるのかは楽しみでならない。

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