2020.11.06

レスターのバーディーが毎年大量得点を決めることができる能力の正体

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

サッカースターの技術・戦術解剖
第32回 ジェイミー・バーディー

<シンデレラストーリー>

 2015-16シーズン、レスターは奇跡のプレミアリーグ優勝を果たした。エースストライカーのジェイミー・バーディーは11試合連続ゴールなど、24ゴール(リーグ2位)をゲットする大活躍で優勝の原動力となっていた。

今季も抜群の得点力で、好調レスターを支えるバーディー 33歳になったバーディーだが、衰えは感じられない。昨季は23ゴールで得点王になっている。今季、レスターは第7節時点でリバプールと1ポイント差の2位。二度目の奇跡もあるかもしれないが、もはやそれは奇跡ではないのだろう。

 15-16シーズンの優勝は確かに奇跡的だった。クラウディオ・ラニエリ監督もシーズン当初の目標として残留を挙げていたぐらいで、誰もレスターの優勝など予想していなかった。

 プレースタイルも、泥臭く守ってカウンターアタックに賭ける、古色蒼然の弱小スタイル。ただ、バーディーを筆頭に、エンゴロ・カンテ、リヤド・マフレズ、岡崎慎司らの活躍で、あれよあれよという間に優勝してしまったのだ。

 現在のレスターは、当時からは変わっている。ブレンダン・ロジャース監督の下、整然とパスをつないでいく強者のサッカーになりつつある。

 リバプール、マンチェスター・シティ、トッテナム、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシーといった格上のチームが存在する以上、ロジャース流の正攻法で優勝するのは難しそうだが、すでにアーセナルとシティには勝利している。例年より格差のないプレミアリーグになっていて、混戦を制する可能性はある。

 バーディーは7ゴールで、キャルバート=ルーウィン(エバートン)、ソン・フンミン(トッテナム)の8ゴールに次ぎ、モハメド・サラー(リバプール)と並んでいる。依然としてエースストライカーでありつづけている。

 バーディーは下積みが長い。シェフィールド・ウェンズデイの下部組織を追われてからは、25歳でレスターと契約するまでノン・リーグ(全国リーグの下部の地域リーグ)でプレーしていた。