2020.11.06

南野拓実、序列低下。ライバル覚醒で
挽回のカギは「MF」のような動き

  • 田嶋コウスケ●文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 今夏の移籍期間でリバプールに加わったFWディオゴ・ジョタが、11月3日に行なわれたチャンピオンズリーグ・グループリーグのアタランタ戦でハットトリックを達成した。

 この日は、レギュラーFWのロベルト・フィルミーノがローテーションの一環でベンチスタート。代わりに23歳のポルトガル代表FWが4−3−3のCFに入ると、圧巻のパフォーマンスを見せた。

南野拓実のアピールポイントとは? チップキックで鮮やかに決めた1点目と、絶妙なトラップで鋭く切り返して豪快にネットを揺らした2点目。そして自慢のスピードでマーカーを引き離して奪った3点目。いずれもジョタの持ち味が凝縮されていたが、そのほかの場面でも芸達者ぶりを発揮した。

 ドリブルでDFラインの背後に抜けたかと思えば、くさびのプレーで周囲を生かすプレーも披露。フリーランで味方からスルーパスを引き出しつつ、前線からの守備もいとわなかった。

 加入当初はウインガーのポジションに入ると見られていたが、CFとしても眩しい輝きを放った。フィルミーノとは違うCF像で、結果とインパクトを残した意義は極めて大きいだろう。

 これで4試合連続ゴール。しかも、公式戦10試合で7得点と、まさに大暴れだ。そんなジョタについて「ここまでやると誰が予想していたか?」と思わず舌を巻いたのは、クラブOBのピーター・クラウチである。

「彼をめぐり、クラブ間で争奪戦など起きていなかった。誰も獲得を強く希望していなかったなか、リバプールはよく彼を見つけてきた」と語り、目利きとして知られるスポーツディレクターのマイケル・エドワーズとリバプールのスカウト陣を褒めていた。

 そして、予想を大きく上回るジョタの活躍で、リバプールの前線にも序列で変化が生じている。

 ユルゲン・クロップ監督は「ジョタが活躍したからといって、セレクションで頭を悩ますことはない」とレギュラーFWフィルミーノへの信頼は変わらないと強調していたが、ジョタがこれまで不動とされてきた3トップに近い存在になりつつあるのは間違いない。実際、地元紙リバプール・エコーは「フィルミーノでさえ、レギュラーの座は確約されなくなった」と伝えた。