2020.11.09

「久保建英をなぜ使わないのか」。
指揮官がスタメン起用をためらう理由

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 11月8日、リーガ・エスパニョーラ第9節のヘタフェ戦、久保建英(ビジャレアル)は86分からの出場にとどまっている。

 しかし、限られた時間でもその非凡さを証明した。中盤でボールを受けると、マークに付いたマルク・ククレジャを手玉にとって、軽々と入れ替わる。"バルサの先輩"を、ものともしなかった。そして敵陣に向かうところで、マウロ・アランバリに体ごと掴みかかられて、明らかなファウルを受ける。イエローカードだった。反則行為でしか止められない技術とスピードだ。

 久保は高速プレー、高い強度のコンタクトの中でも、技術精度が落ちない。それがトップレベルでも違いを出すことができている理由だろう。当然、対戦相手も警戒してかかってくるのだが、そのたび、彼は適応し、より速く、強く、うまさを見せる。

 終了前にはFKのこぼれ球の奪い合いで、巧みにボールを収めている。カウンターを発動させ、CKも蹴っていた。得点には結びつかなかったが、1-3の勝ちゲームを締めた。

「なぜ、久保をもっと使わないのか?」

 スペインの地元メディアが、慎重な起用を続けるウナイ・エメリ監督に対してプレッシャーをかけるほど、期待を集める選手になっているのだ。

 11月、欧州遠征を行なう日本代表にも招集された久保の「現在」とは――。

直近のヘタフェ戦では86分からの出場となった久保建英(ビジャレアル) リーガ・エスパニョーラで、久保はここまで9試合連続で出場を記録。スタメンは第7節のカディス戦のみながら、着実に評価は高めている。新加入のルーキーとして、少なくとも「12番目の選手」のポジションはつかんだ。

 そしてヨーロッパリーグのグループリーグでは、3試合連続先発出場。1得点3アシストで3連勝と、チームを牽引している。

「久保のプレーは幻惑的だった。マッカビ(テル・アビブ)戦は輝きを見せた。(カルロス・)バッカへのアシストはセンスが横溢していた。ヨーロッパリーグは、彼の大会になるかもしれない」

 スペイン大手スポーツ紙『アス』は、そんな表現で久保のプレーを激賞している。