2020.11.13

橋本拳人「めっちゃ怒られた」。
ロシアで先発奪取&得点力も開花

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

 11月の欧州遠征で、橋本拳人(ロストフ)、浅野拓磨(パルチザン・ベオグラード)が日本代表に復帰することになった。

 橋本の場合、10月の欧州遠征では、オランダで開催されたことで、新型コロナウイルスによる規制があって、ロシアからの入国許可が出なかった。今回の開催地はオーストリアで、入国許可が下りたという。そうした事情がなかったら、前回も順当に選ばれていただろう。

 今年7月、ロシアに渡った橋本は、日々成長を遂げている。はたして橋本は"混迷"の森保ジャパンに何をもたらすのか?

昨年12月のE-1選手権以来の代表招集となる橋本拳人(ロストフ) 橋本はロストフでこれまでヨーロッパリーグも含めて13試合に出場し、5得点を記録している。直近6試合は連続先発出場。今やバレリー・カルピン率いるチームで欠かせない選手だ。

 10月31日、ロストフは首位を走る古豪スパルタク・モスクワと敵地で対戦したが、橋本は中盤の一角を担い、0-1の勝利に貢献している。前半からインターセプトを連発。まるで背中に目があるように、背後のスペースをケアしながらも、鋭い出足で前の敵に忍び寄り、タコが獲物を捕獲するように、手足を伸ばしてボールを絡め取った。

 守備だけでなく、ゴール前へ積極的に入り、攻撃にも厚みを加えていた。もともと、クロスに入る感覚に優れ、ヘディングやボレーの当て勘も備えている。しかし、ロシアでプレーするようになってから、攻撃に関与する機会が増え、ゴールセンスが開花したように映る。

「どんなポジションでも、どんな役割でも対応できるのは、自分のいいところだとは思っています」

 橋本は自らのプレーをそう分析している。

 FC東京時代から、ユーティリティ性が特徴だった。ボランチだけでなく、サイドバック、センターバック、サイドハーフ、トップ下、FWでも適応力を見せていた。抜きん出た戦術的センスは、日本人MFでは唯一、長谷部誠に追随するだろう。

 カルピン監督が率いるロストフは、マンマーク戦術で戦っている。スタートポジションは4-3-3で中盤のインサイドハーフに近いが、マンマーキングのため、変則的で不規則な動きと立ち位置の中、攻守両面の働きが求められる。息もつかせない究極的な1対1の果し合いで、相手を上回ることが使命だ。