橋本拳人「めっちゃ怒られた」。
ロシアで先発奪取&得点力も開花 (2ページ目)
運動量は生半可ではない。試合ごとの疲弊は激しいが、戦闘的スタイルをアップデートさせつつある。
「自分は、相手選手とガチャンと当たって、ボールを奪うようなプレーが好きで。海外の選手はそこで勝負して来るんですよ。そこでの駆け引きができるのは、シンプルに楽しみだな、と」
橋本はロシアに発つ前から、そう語っていた。人に対する強さ。そのアドバンテージのおかげで、カルピン監督のマンマーキングにも順応することができた。
「日本人選手は、あまりぶつかり合いを好まないです。すぐにボールを下げるし、距離を置くので。それが日本のスタイルだとは思うんですけど。俺は、自分の間合いに敵が入ってきたら、"削りに行くぞ"という勝負に興奮するというか......。ロシアではコンタクトプレーがしたい。ここに来いよと誘って、入ってくるところで勝負したいですね。欧州を舞台に、ぶつかり合いをやりたいです」
橋本は、その希望通りの戦いを示している。
マンマークの闘争の代償として、走行距離が増えた。1試合平均で12~13キロ。Jリーグのシーズントップ10に迫る走行距離と言えるが、それだけではない。相手に合わせながら全力疾走せざるを得ないので、相当なスプリント回数も求められる。自分たちがボールを持ったら、一気に敵陣に殺到してゴールも狙うだけに、攻守に間断がない。加えてロシアリーグは体格が大きな選手が多く、空中戦も含めた球際の強度も必然的に高くなる。
「最初は(マンマークに)慣れずに、(監督に)めっちゃ怒られていました。『これも行っていいの?』に『全部行け!』って言われて」
橋本は現状を語るが、何かを乗り越える楽しさを感じている。
11月7日、スパルタクに代わって首位に立ったCSKAモスクワとの一戦は代表合流直前の試合になった。
ここでも橋本は獅子奮迅の働きを見せている。イゴール・アキンフェエフ、アラン・ジャゴエフなどロシア代表を多く擁する相手に対し、一歩も引かない。1対1で誘い込むと、完全にボールを取り切る場面もあった。
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