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パナマ戦苦戦の原因は指揮官にあり。
初歩的なことが徹底されてない (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

 後半、日本は持ち直した。後半9分に長友が、後半13分には室屋が、それなりに惜しいシュートを放っている。後半16分、南野が相手GKに倒されたPKにしても、決定的に近いチャンスだった。後半頭から投入された遠藤航が、最終ラインとの間に入り、いい感じでつなぎの役をこなしたことと、それは少なからぬ関係がある。したがって、つい勝因を遠藤の活躍に求めがちだ。

 だが、それは同時に、前半でピッチを後にした橋本拳人のプレーを貶めることにつながる。前半、森保ジャパンが非効率で守備的なサッカーに陥った原因は橋本にあり、という結論になりかねない。遠藤を持ち上げれば持ち上げるほど、その傾向に拍車はかかる。森保監督に批判の矛先は向きにくくなる。

 次戦(17日のメキシコ戦)、注目すべきは、森保監督の橋本起用法だ。彼をピッチに何分立たせるか。監督としての「器」を推し量るバロメーターと言っていいだろう。このパナマ戦で、遠藤と橋本の決着はついたとばかり、この先、遠藤ばかり起用したなら、筆者の監督に対するマイナスポイントは、一段と膨らむことになる。

 パナマ戦の苦戦の原因は森保監督にあり。このことを森保監督自身が自覚し、反省しない限り、日本代表の先行きは明るくないと断言する。

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