森保監督の采配と選手のサッカーIQ。11カ月ぶり代表戦の見どころ (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Fujita Masato

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 あらためて思うのは、ヨーロッパにこんなに選手がいるんだなということです。ヨーロッパ組だけ集まって試合をやろうと言ったらできるぐらいの人数がいる、しかも、比率で言えば前めの選手のほうが多いですが、後ろの選手もしっかりといる。ひと昔前だったら、「ゴールキーパーだけは日本から連れていかないと無理」という感じだったと思います。単純に感心しました。

杉山 確かに、今やヨーロッパに行くのが当たり前の時代になって、そのことへのハードルもリスペクトも低くなったのは間違いない。たとえば2006年のドイツW杯で日本が対戦したフース・ヒディンク監督時代のオーストラリア代表は、オーストラリア国内にはほとんど選手がおらず、ヒディンクはずっとヨーロッパで強化をしていた。日本もそういう感覚になってきているし、今回は窮余の一策という部分があるのだろうけど、継続してやってもいいと思います。

 逆に、国内だけの選手で日本代表を組んでやるということも必要だと思います。W杯アジア予選で弱小国と対戦するのに、わざわざスペインでポジション争いをしていた久保建英を呼んで、5分しか使わないというようなことをやるべきではない。そこはフレキシブルな采配が求められているし、今回、そういう割り切った代表強化方法のファーストステップになればいいかなという気はします。

浅田 最近のJリーグを見ていると、コロナ禍でこれだけ長いこと中断したのに、意外と試合のレベルが下がらなかったという印象があります。ポンポンと目につく選手も出てきている。そういう選手たちを代表にピックアップできないのはちょっともったいないなというか、残念だというか、そういう気持ちもあります。

杉山 海外組というのは、ある程度、評価が確定している選手たちです。「この選手だったら、このぐらいやるんじゃないの」というのは半分見えているところがある。もちろん、この半年間で調子を落とした人や、ひそかに上げた選手もいるだろうし、新しい発見もあるだろうけど、その数はそれほど多くないでしょう。

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