遠藤航が語るリオ五輪予選リーグ敗退の真相。「初戦がすべてだった」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 試合は序盤から点の取り合いとなり、前半15分を前にして2-2という、壮絶な"打撃戦"となった。おかげで、遠藤も少なからず戸惑いを感じていた。

「試合が始まって、いきなり(両チームで)4点も入るゲーム展開だったので、いつもと違う雰囲気を感じながらプレーしていましたね」

 その後も、相手と真正面からド突き合うような、オープンな展開が続いた。そして、激しい先手の奪い合いから前半42分、ナイジェリアに3点目を追加され、2-3で前半を終えた。遠藤は、この終了間際の失点が痛かったという。

「2-2のあと、仕切り直しをしないといけないと思っていました。でも、前の選手は堂々とプレーしていたんですけど、後ろの選手はミス絡みで失点したこともあって、バタバタして、なかなか落ち着くことができなくて......。それをまとめる難しさがありました。それだけに、相手にリードを許して、勢いを持たせたまま、前半を終えることだけは避けたかったんですが......」

 結局、日本は後半も失点を重ねて、終わってみれば大量5得点を献上。日本も4ゴールを奪ったものの、らしくない大味な試合展開となり、大事な初戦を落とすことになった。

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 最初の失点に絡んだDF室屋成は、「早い時間に失点し、責任を感じて慌ててしまい、受け身になってしまった」と語った。その室屋に対して遠藤は、試合中、大きな声で何度も「切り替えろ」と伝えていた。それは、ミスした時にこそ、切り替えることの重要さを、遠藤自身が身をもって経験し、理解していたからだった。

「僕は(同シーズンの)AFCチャンピオンズリーグの試合でミスをして、それが失点につながったんです。でも、その次のファーストプレーで、(味方からの)パスを自ら受けにいって、自らボールを前に持ち運ぶことができたことで、(自分の)リズムを取り戻すことができた。(ミスをしても)ひとついいプレーをして切り替えることができれば、波に乗っていけることを学んだんです。

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