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なでしこジャパンは自信を取り戻した。
E-1優勝で東京五輪へ弾み (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 最終戦の韓国戦では、岩渕、長谷川の抜けた穴は大きく、決定的な流れに持ち込めたのは42分に籾木が相手を剥がして、さらに一枚かわし、田中美南(日テレ・ベレーザ)へ、そこから最後に中島依美(INAC神戸レオネッサ)がフィニッシュした場面くらいだ。

 PKを獲得する籾木のシュートにつながった持ち込んだ中島のパスと、籾木のシュートのタイミングは完全に相手の足を止めることに成功していた。ひとつの"剥がし"から連動できたのは、おそらくこの2プレー程度ではなかったか。

 いいリズムでパスを回して剥がせる場合と、それに相手が慣れて変化がつかない場合がある。そこで欲しいのが「運びながら剥がせる選手」だと高倉麻子監督は言う。その変化を求めた結果、後半に小林里歌子(日テレ・ベレーザ)を投入。粘るマークに苦戦し、指揮官の狙いどおりの形にはなりにくかったが、意図をくみ取ることはできた。

「"テンポあるつなぎ"と"運び"のバランスが大事」(高倉監督)となれば、個々の判断スピード、技術面の向上に加えて、選手の特性を活かしたペアリングがカギになりそうだ。

 攻撃面の課題は山積だが、守備では大きな成長も見えた。もっとも顕著だったのはオフサイドの成功率アップ。圧倒的なポゼッション率だった初戦のチャイニーズ・タイペイ戦ですら4本成功させているが、的が絞りやすかった中国には13本、スピードある韓国にも6本のオフサイドトラップを成功させ、ピンチを脱している。なでしこジャパンのラインコントロールはおそらく世界で最も繊細だろう。

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