森保ジャパン、E-1で香港に完勝も物足りないデータが複数あり (4ページ目)
もちろんクロスボールに対するゴール前の味方の動きの問題もあるが、個人のクオリティーの問題もあるだけに、各選手が今後レベルアップを図っていくしかないだろう。
一方、森保ジャパンのバロメーターとなる縦パスについては、香港の守備方法の問題もあって日本がサイド攻撃を多用したため、控えめな数字となった。
ダブルボランチから2シャドー、もしくは1トップに入れたくさびの縦パスは、後半67分まで出場した田中碧が前半4本(成功4本)、後半1本(成功1本)で、フル出場を果たした大島も前半3本(成功2本)、後半2本(成功0本)のみに終わっている。
したがって、森保監督が重視する「連係、連動」した攻撃も少なかった。この試合で見せた連動性のある攻撃は前半の3回のみで、19分のシーンでは、渡辺の縦パスを起点に田川、小川、大島が連動するも、最後に田川がボールロスト。32分のシーンでは、渡辺のフィードを小川が収め、田川、大島、菅と連動するも、ボックス内で受けた菅はシュートを打てず、そのチャンスは潰えている。
逆に、26分に見せた連動性のある攻撃は、日本にとってこの試合のハイライトともいえるシーンだった。小川のプレスバックでボールを回収すると、菅、田中碧、小川、田中碧、田川とつなぎ、最後は田川の横パスを受けた小川が反転シュート。見事にゴール左隅に突き刺した。
そんな一方的な前半だっただけに、後半のゲーム運びに物足りなさを感じたのも確かだった。香港は後半開始から両サイドバックをフレッシュな駒に入れ替えたものの、それによって守備が大きく改善された現象はうかがえなかっただけに、なおさら日本の攻撃がトーンダウンしてしまったことがクローズアップされる。
58分、小川のハットトリックとなった日本の5ゴール目は、ショートコーナーから生まれたもの。それ以外で日本が最もゴールに近づいたのは、終了間際の86分に相馬のアーリークロスをニアで合わせた上田のヘディングシュートがゴールポストを直撃したシーン。ほかにゴールの匂いが感じられたチャンスを強いて挙げるとすれば、田中駿の縦パスに抜け出した田川がシュートを狙った82分のシーンのみで、全体的に後半の日本は低調なパフォーマンスに終わったと言える。
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