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森保Jが救いなき大敗。際立っていた
中島翔哉、柴崎岳の問題点 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 ベネズエラ戦後の会見では冒頭、敗因をこう述べている。

「攻撃ではビルドアップ、シュートまでの連係、連動が少しずれたところを相手につけ込まれ、ディフェンスでは間合いが相手のボール保持者から遠く、プレッシャーをかけられず、失点を重ねてしまった」

 言葉の少なさもさることながら、それ以上に突っ込みを入れたくなったのは、敗因を攻撃と守備とに分けて考えている点だ。連係、連動を毎度、口にする森保監督だが、攻撃と守備も連係、連動しているのだ。

 4失点した前半、最も目立ったのが、ボールの奪われ方の悪さだ。攻守が切り替わる場所とタイミングである。日本はベネズエラに比べて、なによりパスコースが少なかった。各選手のポジショニングが悪かったからだ。

 中でも際立っていたのが中島翔哉(ポルト)である。左ウイングの位置いることはほとんどなく、ボールが欲しいあまり、あちこち動き回ったことが、全体のバランスの乱れを誘い、パスコースを減らす原因につながっていた。ベネズエラの左ウイングで、同じドリブラータイプのジェフェルソン・ソテルドと比較すれば、それは一目瞭然だった。ポジショニングの重要性を理解しているか、していないか。その差は際立っていた。

 パスコースが少ないのにパスを回そうとする日本のサッカーは、ベネズエラに比べて汚く、強引に見えた。整理整頓の行き届かないグチャグチャなサッカーと化していた。相手ゴール前までボールを運ぶことができず、中盤で引っかかってしまう。奪われた瞬間、日本の陣形は大きく崩れているので、必然的に相手にはパスコースが多数生まれる。日本の左サイド(ベネズエラの右サイド)は、中島がそこにいないので、ベネズエラの起点となっていた。

 コーチングエリアで戦況を見つめる森保監督には、中島の問題、すなわちそこから傷口が広がっていく光景が目に留まらなかったのだろうか。開始8分の失点直後、そこを修正しておけば、その後ずるずると失点を重ねていくことはなかったはずだ。

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