森保Jが救いなき大敗。際立っていた
中島翔哉、柴崎岳の問題点
ベネズエラ戦。試合前に配布されたスタメン表に目をやれば、新たに招集された国内組9人の名前はそこに1人もなかった。名を連ねていたのは、前戦のキルギス戦に招集された選手ばかり。森保一監督の代表チームに対する考え方がうかがい知れるスタメンだった。
概念としては、ガチガチのベストメンバーを編成して臨んだキルギス戦と同様だ。その招集メンバーから欧州組の9人が外れた今回、森保監督は次に考えられるベストメンバーを並べてきたのだった。
スタメンは、テスト色が限りなく低い選手で占められた。ベストメンバーをベースにしながら新しい選手を試す。3年後のカタールW杯本番を見据えつつ、そこから逆算するように毎試合、少しずつ選手を混ぜ合わせながら、代表チームの総合力アップを図る――という考え方ではない。
弱者との公式戦でも、ミドルクラスの相手との親善試合でも、常にその時のベストメンバーを送り込む。一戦必勝の絶対に負けられない姿勢を全面に押し出して戦おうとする。それで強化になるのか、はなはだ怪しいが、そこで負けてしまうと、その考え方は完全に失敗だったことになる。ホームで1-4。大敗を喫した今回は、論理的には救いが一切なかった試合になる。
ベネズエラ戦で効果的な攻撃を見せることができなかった中島翔哉 新たに招集した新顔4人(進藤亮佑、荒木隼人、古橋亨梧、オナイウ阿道)を含む9人の国内組を、スタメンに混ぜ込んで戦ったうえでの結果なら、それなりの収穫は見込める。ある程度の言い訳は許される。だが、そうではない場合、監督は黙って頭を垂れるしかなくなる。
ところが、試合後の森保監督は約20分の会見の中で、0-4で折り返すことになった前半の戦いより、後半の戦いについてより多く語った。0-4になっても頭を下げず、1点を返し、盛り返したことを評価した。
その姿は格好悪く、そして痛々しかった。この2日前に行なわれたU‐22日本代表のコロンビア戦に続いて、である。ゴール前を固める5バック同然の3バックを採用したことには触れようとせず、受けて立ってしまった原因を、選手のメンタルに求めようとした姿勢と重なるのだった。
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