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スペインの名将がコパの日本を評価。
「南米の強豪と対等に戦える」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Watanabe Koji

 前半も30分を過ぎると、南米王者チリがペースを握る。プルガルが配球役としてリズムをつかむと、空いた左サイドを右サイドバックのマウリシオ・イスラが猛襲。右CK付近まで少なくとも5回は侵入した。右からの強烈な攻めによって、左サイドではアレクシス・サンチェスが、原の裏や横のスペースを容易に取り始める。そこに左サイドバックのジャン・ボーセジュールも絡むことで、攻めを厚くする。インサイドハーフのチャルレス・アランギスもゴール前に出没。完全に日本を押し込んだ。

 そして前半41分、チリはたび重なる攻撃で右CKを得ている。アランギスが蹴ったボールに、プルガルがヘディングで合わせた。中山と競り合ったシーンは、イージーな空中戦だった」

 エチャリはそう言って、チリの先制点までの攻防を丁寧に振り返っている。畳み込まれた格好だったと言えるだろう。

「それでも日本は戦意を失っていない。先制点を奪われたあと、敵陣でボールを奪うと、柴崎がすかさず縦パスを入れ、それを受けた上田はGKをかわして決定機を作っている。しかし、シュートは枠を捉えなかった。追いついていれば、戦術的に違う局面を作れたはずだ。

 リードされた後半も、日本はチリの老練な攻撃に後手に回る。2点目は左サイドを、コンビネーションを使って破られ、中央に折り返したボールを、バルガスに直接叩かれた。冨安健洋(シント・トロイデン)にかすって、わずかに方向が変わってしまった。

 0-2と突き放されかけたが、その後は日本がペースを握った。チリが手を緩めたのもあっただろう。つけ込むように何度も好機を作り出した。

 右サイドからの柴崎のパスに、上田がファーから突っ込むも、これをしっかり当てられない。ゴール前でボールを受けた久保がするするとディファンスの間を抜け出すが、GKと1対1での左足シュートは枠に飛ばなかった。さらに、久保とのコンビネーションを使って左から侵入した安部裕葵(鹿島アントラーズ)は、シュートを選択せず、クロスを折り返すが、ファーポストの上田はまたも合わせられない。

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