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U-20W杯初戦はドロー。
エクアドルに苦戦を強いられた日本の誤算 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 しかし、「ブラジルとも対戦したことがあるが、それに比べると、戦い方が組織立っていなかった」と齊藤未。菅原もまた、「南米のチームにしては、思ったよりやりにくさはなかった」と振り返る。

 にもかかわらず、「(チーム全体として)ビビって、ボールを受けられなかった」(齊藤未)。その結果、「ロングボールが多くなって、自分たちのサッカーができず、間延びしてしまった」(菅原)。

 後半に入ると、交代投入されたFW宮代大聖が、うまく相手のDFとMFの間でボールを受けることで、確かに前半にはなかった攻撃の厚みが生まれてはいた。影山監督が「後半は、しっかり(パスコースに)顔を出してボールを運び、相手のプレスを外してゴールに迫ることができた」と話すとおりである。

 しかしながら、MF山田康太の同点ゴールも含め、日本の決定機は、そのほとんどが最終的には相手DFとGKのミス、それもかなりイージーなミスに助けられたものだ。エクアドルのホルヘ・チェリコ監督も、「犯した間違いは取り返せない。選手はよく戦ったと思うが、期待した結果ではなかった」と話している。

 もちろん、DFラインの背後へのボールの処理に難があると見抜き、そこを徹底して突いた、という見方はできるだろう。だが、本当の意味で、日本がどれだけ相手の守備を崩してチャンスを作っていたかと言えば、少なからず疑いが残る。

 後半のようなプレーを前半からできれば、という見方にしても、エクアドルの側に立てば、圧倒的にゲームを支配した前半のうちに1点を先制したことで、後半は油断が生まれた、という面はあるだろう。しかも、後半開始早々に(GK若原に防がれたが)PKまで得ているのである。ラテン系のチームゆえ、いつでも追加点が取れるという緩んだ雰囲気になってもおかしくない。もし、日本がはじめから後半のようなプレーをしていたら、エクアドルもまた、違う反応があったはずだ。

 やはり、この試合内容で勝ち点1は、納得すべき結果。それどころか、喜ぶべき結果と言ったほうがいいのかもしれない。

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