久保建英も招集か。コパ・アメリカの森保ジャパンのメンバーはどうなる (2ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 彼らが才能豊かなのは疑うべくもない。だが、ブラジルに彼らを連れて行くことになれば、それはアジアカップに出場した主力メンバーを招集できないことへの対応策という側面も見え隠れする。久保や安倍の所属クラブとしては、貴重な戦力である彼らの招集を認めたくない部分もあったと思うが、もともとU-20 W杯でポーランドに派遣する予定だった選手の行き先がコパ・アメリカのブラジルになったという考え方もできる。

 久保や安倍、大迫といった若い選手にとっては、U-20W杯であっても、コパ・アメリカであっても、国際経験を積める絶好の機会であることは間違いない。彼らがA代表に加われば、ほかの選手がU-20W杯メンバーとして経験を積むチャンスにもなる。若手の強化として考えれば、理にかなっていると言える。

 しかし森保監督は、U-20日本代表を率いる影山雅永監督が、久保や安倍らを軸にしてチームをつくってきたことを知っているだけに、当初はその主力をA代表の戦力とは考えていなかったのではないだろうか。つまり、それほどコパ・アメリカのメンバー選考に苦心しているということでもある。

 コパ・アメリカの大会期間中、J1もJ2もリーグ戦は継続され、選手を引き抜かれたクラブには、戦力が補強されるわけでも、勝ち点が与えられるわけでもない。クラブとして所属選手の招集に難色を示すのは当然のことだ。現場を預かる監督は、成績が悪ければ職を失う可能性がある以上、派遣する選手数は最小限に抑えたいと考える。それは、プロとして当たり前のことだろう。

 コパ・アメリカの時期にJリーグを中断できていたら...と考えてしまうが、いずれにしても、この状況を改善するために、サッカー協会と各クラブの調整がうまく進むことを願いたい。

 また、東京五輪開催年の2020年は、そこに出場するU-23代表チームが集まって練習する時間の確保が難航しているという。そのため、五輪への強化の一環という大義をつくり、東京五輪世代の選手を中心にコパ・アメリカのメンバー構成をするという考え方もある。それをベースにして、海外組の招集可能な選手も呼ぶという手もあるだろう。

 たとえば、シント・トロイデンの鎌田大地や遠藤航、冨安健洋、同じくベルギーリーグで活躍する森岡亮太や、ドイツ2部でプレーする井手口陽介を招集して状態をチェックすることを検討してもいいのではないか。

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