急成長の東京五輪世代、松本泰志は「ボランチの最終形態」を目指す
東京五輪を目指す若きフットボーラーたち(6)
サンフレッチェ広島・松本泰志@前編
昌平(しょうへい)高時代からドリブル突破や得点力など攻撃力に秀でていたが、プロ入り後にボランチにコンバートされ、プレーの幅を大きく広げた松本泰志。憧れの選手でもある、元サンフレッチェ広島の森﨑和幸という偉大な先輩から多くを吸収し、ボールを回収する力も向上している。Jリーグでの出場機会を大きく増やしている「紫のプレーメーカー」の今に迫った。
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MF松本泰志(まつもと・たいし)1998年8月22日、埼玉県生まれ。昌平高出身―― 過去2年間でリーグ戦は3試合にしか出ていなかったのに、今シーズンは開幕から試合に出続けています。この状況は今オフ、想像できました?
松本泰志(以下:松本) 「今年こそスタメンになるぞ」と思っていましたけど、「ここまで出られるとは」というのが正直な気持ちです。運がいい面もあるんですけど、結果もついてきているので、すごく自信になっていますね。
―― 試合を重ねるごとに成果と課題の両方を得られ、充実しているんじゃないですか。
松本 試合を追うごとに周りとの関わりも増えて、自分でもプレーの幅が広がってきているのを感じます。守備に関しても、後ろに指示してもらうだけでなく、自分で考えてやれるようになってきましたし。1試合、1試合、成長を感じられています。
―― 「スタメンを奪うぞ」と意気込んだ今オフ、何か特別なことに取り組みましたか?
松本 それが、とくにないんですよね。友だちと遊んだり、母校(昌平高)の初蹴りに顔を出したり......。自分を追い込むとかそういうことはせず、リラックスするというか、気持ちをリフレッシュして今シーズンに臨みました。
―― ここまでで、納得のいくプレーができたと感じられる試合はどれでしょう?
松本 どれだろう......(3月9日の第3節)セレッソ(大阪)戦は、耐える時間が長かったんですけど、相手のパスの出どころに対して、僕と(川辺)駿くんが後半になっても(強度が)衰えることなくプレスをかけることができたので、そんなにピンチを招かなかった。僕らの守備が効いていたんじゃないか、と感じられるゲームだったので、手応えがありましたね。
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