東京五輪世代の前田大然は、森保監督の特殊戦術の理解に自信あり
東京五輪を目指す若きフットボーラーたち(1)
松本山雅FC・前田大然@前編
そのスピード、規格外――。ピッチを駆ける前田大然を見れば、その速さに誰もが度肝を抜かれるはずだ。一気に加速して相手DFを置き去りにして、瞬く間にゴールを陥れる。
2016年に山梨学院高から松本山雅FCに加入し、プロ2年目の昨シーズン、期限付き移籍した水戸ホーリーホックで13ゴールと大ブレイク。その活躍はJ1クラブも獲得に乗り出すほどだった。迎えた2018年、念願の年代別代表デビューを果たし、8月にインドネシアで開催される第18回アジア大会のメンバーにも選ばれた。J2で首位を走る松本の「スピアヘッド」の今に迫る――。
FW前田大然(まえだ・だいぜん)1997年10月20日生まれ、大阪府出身。山梨学院大学附属高出身―― 東京五輪世代のインタビューシリーズ、今回が第1回です。
前田大然(以下:前田) 第1回ですか。ありがとうございます。光栄ですね(笑)。
―― いよいよアジア大会が開幕しますが、まずは振り返りから。今年1月のU-23アジア選手権・中国大会のメンバーに選ばれたのに、直前合宿中に負傷してチャンスを逃してしまいましたね。あれは、年末の全日本大学選抜との練習試合で痛めたんですか?
前田 いや、もともと昨シーズンの最後のほうに腰を痛めていたんですよ。代表に行きたかったから、なんとか間に合わせたんですけど、試合をしたらやっぱり痛くなってきて。山雅のほうからも「新シーズンの前だから、無理をしないで戻ってこい」って言われたので。
―― 年代別代表に選ばれたことがなかった前田選手にとって、初めて日の丸を背負って国際大会に出場するチャンスでした。それを逃したわけだから、相当ショックだったのでは?
前田 悔しかったですねえ。でも、大阪で1週間、キャンプを過ごしただけでもいろいろ経験できたので、次がある、と思って頑張って切り替えました。
―― その想いが通じたのか、続く3月のパラグアイ遠征のメンバーにも選出。初先発となった第2戦のベネズエラ戦で、ウップンを晴らすかのように2ゴールを奪いました。ゴールを決める自信はあった?
前田 自信はね、常に持っているんです。ただ、水戸時代の最後からゴールを獲れてなかったんで、今年の初ゴールがあの舞台で生まれて、うれしかったですね。
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