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ボリビア戦は森保Jのワーストゲーム。
でも、喜ぶべきこともある (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

 実際、この2連戦で代表デビューを果たしたDF安西幸輝(鹿島アントラーズ)、DF畠中槙之輔(横浜F・マリノス)のプレーぶりは、(ともに主力組とのプレー時間はわずかだったが)決して悪くなかった。

 試合序盤こそ、引いて守備を固めるボリビア相手に手を焼いたが、時間の経過とともにMF乾貴士(アラベス)と連係し、左サイドから攻撃を組み立てるシーンを増やした。手詰まり感を漂わせたまま、何の工夫も見られなかった、右サイドのDF西大伍(ヴィッセル神戸)、三浦弦太(ガンバ大阪)、MF宇佐美貴史(デュッセルドルフ)に比べると、確実に試合のなかで変化していった。

 森保監督がよく口にする、「臨機応変」や「対応力」といった点に照らせば、左右どちらのサイドが今後への可能性を示したかは明らかだろう。

 森保監督が、1トップの鎌田について「彼のよさを出してくれた」と評価するに際し、「GKと1対1を作り出した(裏への)抜け出し」を好例に挙げたが、後半13分のその場面にしても、畠中が乾の動きを見逃さずに通した縦パスが起点になっている。

 パスを受けた乾は、タッチライン際をオーバーラップしてきた安西の動きをおとりに使い、ボールを内に持ち出して鎌田にパス。これが決定機につながったものだ。

 とはいえ、全般的に言えば、誰の目にも明らかなほどに傑出したプレーを見せる選手は、残念ながら、新戦力の中からは現れなかった。それが、ボリビア戦を退屈な試合にした最大の要因と言ってもいいだろう。

 試合終盤、2列目の3人に加え、ボランチのMF柴崎岳(ヘタフェ)が交代出場したことで、一気にピッチ上のプレー強度が上がり、そのなかから中島の決勝ゴールが生まれたことも、新戦力に対する物足りない印象を一層強める結果となった。

 森保監督は戦力の底上げについて、「経験の浅い選手の評価としては、ある程度は手応えをつかめたということが総じて言える」と、一定の評価は与えつつも、「試合を決定づけるとか、流れを変えていくとかは、まだまだ力をつけてほしいと、選手にも伝えた」とも話している。客観的に試合内容を振り返れば、後者のほうがより本心に近いと考えるのが妥当だろう。

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