中島翔哉のゴールの起点に。橋本拳人は長谷部の後継者の資格あり
「長谷部(誠)さんのようなプレーを、とは言われていません。でも、それはポジション的にも意識しています。簡単にやって、他の選手をどんどん生かすというか......。それには周りの信頼を高める必要がありますね」
ボリビア戦後、日本代表デビューとなった橋本拳人(25歳、FC東京)は、サバサバとした表情で話している。
ボリビア戦で日本代表デビューを果たした橋本拳人(FC東京) 橋本はこの日、ボランチの一角としてプレー。何度も敵の攻撃を潰し、味方にボールを供給した。守りでリズムをとる。難しいことをするのではない。サポートに入り、迅速にボールをつけ、味方にアドバンテージを与える。
それは代表で10年近く、長谷部の仕事だった。
「代表は初めてでしたけど、練習から緊張はしなかったです。試合は、やれる気しかしなかった。相手がそこまで(ベストメンバー)ではなかったんですかね?」
淡々と語った橋本はこの夜、際立った存在感を示している。
「首位争いしているチームのボランチは、必ず見てもらえると思います」
そう語っていた橋本は、今回、追加招集で選ばれている。今シーズンは首位に立つFC東京を牽引。しっかりとポジションをとって、守りを安定させることで攻撃につなげる。昨シーズンからそのプレーを極め、攻撃にも余裕が出てきた。
橋本の特長は、「攻守の強固さ」にある。「身体をぶつけてボールをからめとる」と「ボールを迅速に簡潔にさばける」、そのふたつの力とも言い換えられる。技術的に優れた日本人MFは少なくないが、守備でリズムを作って攻撃につなげられる選手は、実は多くない。いわば、攻守の切り替えの起点になれる。
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