中島翔哉が際立つも、新鮮味が減少した森保Jは停滞感を打破すべき (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 前半の流れが悪くなかっただけに、後半の試合の入りが緩んでしまったのか。あるいは、選手交代も含め、修正を加えてきたコロンビアに対応できなかったのか。

 いずれにしても、前半に比べ、後半の試合内容が悪化したのは間違いない。さらに言えば、前半の内容にしても、昨秋のコスタリカ戦やウルグアイ戦などに比べれば、粗さが目立った。2列目の南野拓実(ザルツブルク)、堂安律(フローニンゲン)、中島翔哉(アル・ドゥハイル)といった顔ぶれもすでに見慣れ、新鮮さが失われた面はあるにしても、物足りなさを感じたのは確かだ。

 とはいえ、2022年W杯本番を見据えれば、先はまだ長い。結果的に思うような成果が得られなかったとしても、現段階でいろんなことを試してみるのは、悪いことではない。

 その点で言えば、意味のある試合だったのではないだろうか。

 アジアカップでは、采配に疑問を感じることも多かった森保監督だが、就任以来、全般的には可能性のありそうな選手を幅広く選び、使っている。そんな印象は、コロンビア戦でも変わることはなかった。

 今回の日本代表メンバーにしても、すでに実力がわかっているDF吉田麻也(サウサンプトン)、DF酒井宏樹(マルセイユ)といった実績のある選手を外す一方で、DF畠中慎之輔(横浜F・マリノス)、DF安西幸輝(鹿島アントラーズ)といった、Jリーグで好パフォーマンスを見せる新顔を加えている。

 また、W杯以来の選出となったMF香川真司(ベシクタシュ)にしても、同様に所属クラブであまり試合に出られていない柴崎が選ばれ続けていることを考えれば、もっと早く呼ばれていても不思議はなかったが、移籍を決断したタイミングで満を持して招集された。

 日本代表での実績があるからと特別扱いはしないが、簡単に見限りもしない。選手の自尊心をくすぐりながら、うまく日本代表候補選手のパイを広げている印象だ。

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