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「ポスト大迫」がいない今、
発想を転換すべき森保Jに最適なFWがいる (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 本来なら、落ち着いてパスをつなぎたい場面だが、少しでもプレーが遅れれば、前田に狙われる。それならば、安全第一で大きく蹴り出してしまおう――。直接的にボールを奪うことができなくとも、相手チームのそんなシーンを増やすことができれば、前田の守備における貢献度は極めて高いということになる。

 まずは守備から入りたい試合――日本より実力上位の相手との対戦で、まさに前田の起用はうってつけだ。たとえば、コパ・アメリカ(6月14日~7月7日/ブラジル)などは、前田を試す絶好の機会だろう。

 仮に先発起用が難しいなら、手っ取り早い活用法はスーパーサブである。

 アジアカップを振り返っても、現在の日本代表は交代カードが意外なほど貧弱で、選手交代によって試合の状況を変えることがほとんどできなかった。効果的な交代策だったと言えるのは、試合終盤に得点がほしい状況で、右サイドにMF伊東純也を入れるくらいだろうか。

 その点、前田は試合展開にかかわらず、貴重なジョーカーになりうる。

 スピードを生かしたスーパーサブというと、相手にリードされ、どうしても1点がほしいときの起用がすぐに思い浮かぶ。もちろん、それも一手ではある。だが、日本がリードしていて、逃げ切りを図りたいときには、前線からの守備を強める"クローザー"としての役割も期待できる。

 大迫不在時の戦い方。さらには、貧弱な交代カード。つまり前田は、日本代表が抱えるふたつの課題の解決策になりうるということだ。

 松本のスピードスターは試す価値あり、だ。

(3)FW鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)へつづく>>

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