「ポスト大迫」がいない今、発想を転換すべき森保Jに最適なFWがいる

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

Jリーグ序盤戦で見つけた
森保Jで試してほしい選手(2)
FW前田大然(松本山雅FC)

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 FW大迫勇也(ブレーメン)を欠いたとき、日本代表はどう戦うのか。

 その問題が案じられるようになってすでに久しいが、大迫依存は解消されるどころか、先のアジアカップを経て、むしろその度合いを強めている。

 残念ながら、大迫の代わりができる日本人選手はいない。現状においては、そう考えざるをない。

 とはいえ、大迫の不在時にどう戦うかの解決策は、必ずしも大迫の代わりができる選手を見つけることだけではない。というより、大迫とは異なる特長の選手を起用し、大迫がいるときとは異なる発想で戦うことを考えるほうが、今の日本では現実的だ。

 そこで、松本山雅FCの21歳、FW前田大然である。

 身長173cm、体重67kgの体格からもわかるように、相手DFを背負ってポストプレーをこなすタイプではない。大迫とはプレースタイルがまったく異なる。大迫の代役どころか、ポスト役の大迫と2トップを組み、大迫が落したボールを前を向いて受けたいタイプだろう。

 前田の最大の武器は、足の速さ。つまりは、スバ抜けたスピードだ。相手ゴールに向かってプレーしてこそ、彼の持ち味は生きる。足の速さなら、おそらくFW浅野拓磨(ハノーファー)より上だろう。

 率直に言って、日本代表の主戦システムとなっている4-2-3-1のなかで、最適なポジションを探すのは難しい。スピードを生かすなら2列目でも面白いが、大迫不在時の戦いにメドが立たない現状では、前田を1トップで使ってみるのもアリだ。

 実際、U-21代表として出場した昨年のアジア大会では、主に(3-4-2-1ではあるが)1トップでプレーしている。スピードを生かしてDFラインの背後へ飛び出したり、サイドのスペースへ流れたりして縦パスを引き出し、高い位置に攻撃の起点を作り出す役割を担っていた。

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