森保Jの急所はボランチ。「ポスト長谷部誠」は橋本拳人が適任だ
Jリーグ序盤戦で見つけた
森保Jで試してほしい選手(1)
MF橋本拳人(FC東京)
ポジションを留守にしない。味方のポジションのズレを埋め、修正する。常にパスコースを作りながら、迅速かつ適切に次のプレーを促すボールをつなげる――それが、欧州でスタンダードの優れたボランチ、アンカーの条件である。
しばしば言われる「屈強なフィジカル」「運動量」「得点力」、あるいは「華やかなパスやドリブル」は、あくまで"二の次"と言える。この条件を満たせなければ、いくら"プラスアルファー"が魅力的でも、その資格はない。
過去10年の日本代表において、この才能に恵まれ、"補完関係"でプレーを作っていたのが、長谷部誠(フランクフルト)だった。長谷部のポジション取りと判断・選択は傑出していて、ほぼすべての動きが、味方を生かすために計算されていた。
年明けのアジアカップ決勝、カタール戦は長谷部の"不在の在"が強く出た。中盤の選手が背後を取られ、後手に回った。準決勝までは遠藤航が"代役"をこなしていたが、ケガで欠場を余儀なくされていたのだ。
長谷部の後継者――。
その競争が、森保ジャパンでも求められるべきだろう。
その点、FC東京のMF橋本拳人(25歳)は候補となる選手のひとりだ。
「ポスト長谷部」の候補となり得る橋本拳人 ピッチに立つ橋本は、ダイナミズムを感じさせる選手である。それは全身のしなやかさが与える印象でもあるだろうか。たとえば、足が出て来ない、と相手が油断したところで、足をぐんっと伸ばせる。
「外国人選手と戦っているような感覚」
対戦した選手が言うように、日本人離れした"間合いの射程"が広いのだ。
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