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森保Jの急所はボランチ。
「ポスト長谷部誠」は橋本拳人が適任だ (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 ただ世界と戦うなら、Jリーグではときに圧倒的な力の差を見せる必要もある。

 第2節、湘南ベルマーレ戦だった。バックラインから蹴り込んだボールにFW永井謙佑が走り、エリア内でパスを受けたFWディエゴ・オリヴェイラがシュート。これはGKにブロックされたが、抜かりなくこぼれに詰めていたのが、橋本だった。

 猛然とした走り込みで、獣のようだったが、冷静に予測もしていた。相手GK秋元陽太はかつてのチームメイトで、癖も知っていたからだ。

 アルトゥーロ・ビダル(バルセロナ/チリ代表)、イバン・ラキティッチ(バルセロナ/クロアチア代表)、ハビ・マルティネス(バイエルン/スペイン代表)のように「得点も狙えるMF」もひとつの模範か。

「ボランチは楽しいですね。(相手)ボールの流れ、軌道を読んで(守ったり)。ボールを持っている選手によって、閃(ひらめ)きというのは違うので、その駆け引きをしたり。ビルドアップも、一瞬速くボールを受けるだけで視界が変わるし」

 そう語る橋本は、ボランチとして成長途上にあるのだろう。

 受け身に回って、強さを出せるボランチは、日本では珍しい。2014年ブラジルW杯、2018年ロシアW杯、どちらも日本代表が敗れた試合では、相手のインテンシティに押され、守備に乱れが出ているが、橋本がいれば、その問題も解消できるかもしれない。彼は高さが弱点にならず、ボールを奪取する力に長け、そしてメンタル的にもしぶとい。

「進化の年にしたいです!」

 橋本はそう言って、大志を抱いて挑んでいる。

(2) FW前田大然(松本山雅FC)へつづく>>

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