2019.02.04

アジアカップで森保Jのターンオーバーは成功したと言えるのか?

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Sano Miki

福田正博 フットボール原論

アジアカップで準優勝に終わった日本代表。優勝を目指していたこの大会で、森保一監督の選手起用法について、さまざまな意見があった。約1カ月で7試合を戦う国際大会で、選手のコンディションも考えたマネジメントはどのようにするべきなのか。元日本代表の福田正博氏が考察した。

格下のカタールに敗戦。アジアカップ準優勝の日本代表 アジアカップ優勝を目指して熱戦を続けた森保ジャパンだったが、決勝でカタールに敗れて準優勝。それでも、決勝までの7試合を戦い抜いたことは、今後のコパ・アメリカやW杯予選、W杯カタール大会へ向けて貴重な経験だったと言える。

 W杯やアジアカップなどの国際大会は、1カ月ほどの短期決戦で7試合を戦い抜かなければ優勝できない。そのため「W杯を勝ち抜くには、スタメンも控えも全選手をうまく起用するターンオーバーが必要」と言われることが多い。

 こうした意見は、2010年W杯南アフリカ大会で準優勝したオランダ代表が、初戦から決勝戦までの7試合で23人を使ったことや、EURO2016で優勝したポルトガル代表は、7試合で22人を起用したことなどが根拠にされている。

 W杯南アフリカ大会で優勝したスペイン代表では、出番がなかったのはイケル・カシージャスの控えGKの2選手だけで、7試合で21選手が起用された。 

 この数字だけにフォーカスすれば、「ほぼ全選手が試合に出場する総力戦で、スペインはW杯初優勝を勝ち取った」と受け取れる。だが、実情は少々異なる。たしかに、招集メンバーのほとんどが試合に出場してはいるが、毎試合スタメンの顔ぶれが違っていたかというと、そうしたことは実はない。5選手は1試合だけの起用で、もうひとりも出番があったのは2試合のみ。スタメン11人のうち9人は固定され、あとのポジションは6選手の調子を見ながら、先発か途中出場かを使い分けたのだ。

 昨年のW杯ロシア大会で優勝したフランス代表も同様だった。決勝戦までの7試合で21選手を起用したが、そのうち6選手は1試合のみ起用されたに過ぎない。

 たしかに、強豪国は同じ力を持つチームを2つ作れるだけの戦力が揃っている。実際、スペインにしろ、フランスにしろ、W杯メンバーから落選した選手でチームを作っても、本大会に出場したチームと遜色ない結果を残した可能性はある。