2019.02.01

ハリル的でも西野的でもあり。
森保Jは歴史をミックスして決勝に臨む

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 日本が5度目の優勝をかけてカタールと対戦するアジアカップ決勝。そのポイントについて語った塩谷司(アルアイン)の言葉が、森保ジャパンの本質を言い当てていた。

「したたかにずる賢く、あとは走るところ、戦うところ、サッカーのベースとなるところで相手を上回っていくことが大事になると思います」

アジアカップ制覇まであと1勝に迫った森保ジャパン ボールを握ることを重視しているわけではなく、自分たちのサッカーを貫くことに美学を感じているわけではない。ボール支配率が30%を割ったサウジアラビア戦のように、割り切って引いて守ることもいとわない。

 その一方で、ロシア・ワールドカップから継続して4−2−3−1のシステムで戦い、ベトナム戦やイラン戦の後半のように、後方からのビルドアップや前線中央のコンビネーションを駆使して、2列目のアタッカーたちの能力を最大限に活かそうともする。

 つまり、「カメレオン的な」と長友佑都(ガラタサライ)が言うように、森保ジャパンの顔はさまざまなのだ。とりわけ、今大会では前半はロングボールを多用しながら手堅く進め、後半に入って勝負に出るゲーム運びが際立っている。

 ハリルジャパン的であり、西野ジャパン的でもある――。だが、それも当然のことなのだ。森保一監督自身がこんなことを言っているのだから。

「これまでの代表監督のいいものは、積極的に引き継いでいきたいと思っています。それは西野(朗)さんだけじゃなく、ハリル(ホジッチ)さんもそう。日本代表の歴史を大事にしていきたい」

 そんな森保ジャパンにとってカタールは、試金石として打ってつけの相手だろう。

 育成年代からの”スペイン化”の成果が表れ、中東のチームらしからず、戦術的に極めてよく整備されたチームだ。4−3−3と3−5−2(5−3−2)を使い分け、ディフェンスラインからのボールの動かし方や運び方、相手へのプレスの掛け方やパスコースの切り方からは、間違いなくゲームモデルが存在することをうかがわせる。