打つ手がなかった森保Jの限界。
カタール戦で噴出した「采配のツケ」
敗戦にもいろいろある。大別すれば、胸を張っていい敗戦と、恥ずかしい敗戦になる。アジアカップ決勝のカタール戦は後者の典型だった。
相手はカタール。人口250万。国土の面積は秋田県とほぼ同等の小国だ。選手の比較でも、日本代表はほぼ全員が欧州組。高給取りである。カタールはスタメン全員が国内組だ。アルモエズ・アリのようないい選手はいても、有名選手はいない。さらに日本が決勝を準決勝から中3日で戦ったのに対し、カタールは中2日。これぞ、絶対に負けられない戦いだった。
カタールに敗れ、厳しい表情の日本代表の選手たち 森保一監督は試合後、立ち上がりからうまくいかなかった理由を、「5バック、3バックで戦うカタールとミスマッチが起こるなかで、噛み合わせがうまくいかなかった」と語った。
しかし、こちらの目にはそれ以上に、フィールドプレーヤー10人が、楽しそうにプレーしていないように見えた。このメンバーでプレーすることにウキウキしていないというか、新鮮さを感じてないというか、マンネリズムに陥っている様子が見て取れた。スタメンの顔ぶれを見た瞬間、今日こそは危ないと思ったものだ。この顔ぶれに選手たち自身が飽きていたのではないか。
堂安律(フローニンゲン)、南野拓実(ザルツブルク)、原口元気(ハノーファー)。第2列を務めるアタッカー陣は、試合を重ねるごとにパフォーマンスが低下している。自信を失っているように見えた。とくに売り出し中の南野、堂安は、逆に底が割れた感じだ。にもかかわらず、連戦連投。監督から高い評価を受け、使い詰めにされている。この好ましくない空気感が、前半の戦いに現れていたといっても言い過ぎではない。
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