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ベトナムにシュート数で劣った森保J。
苦戦の原因は敵の健闘ではない (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 日本が招いた最大のピンチは前半39分。自軍ゴール前で権田修一(サガン鳥栖)と吉田が行なったパス交換だった。権田が出した余裕のないパスを吉田がトラップミス。そこを相手に突かれドタバタしたシーンだが、彼らのやりとりに、自らが2ランク上回っているという余裕を感じなかった。

 権田の不安定さは言うに及ばず、キャプテン吉田もあり得ないミスパスを数本提供していた。年齢のことは言いたくないが、現在30歳。2022年W杯時は34歳になる。向こう4年間、代表の中心にい続けることは難しいのではないか。

 期待の若手の富安も、相手の10番、グエン・コン・フオンにやられていた。ドタドタしたステップを踏み、不安定さを露呈させた。センターバックとGK。その人材難ははなはだしい。

 MFでは柴崎に元気がない。冴えのないプレーを続けている。調子が上がってきている様子がない。

 前線は4人全員が不合格だ。原口は代表歴が長いのにポジションワークに難がある。その結果、プレーにうまく絡めずにいる。南野拓実(ザルツブルク)は試合を重ねるごとにプレーの質が落ちている。もはやすっかり並の選手だ。

 堂安律(フローニンゲン)は、通常より開いて構えていた。ボールを受ける機会も原口に比べて多かったが、その分、力不足が目立ってしまった。なにより、局面を打開する力に欠ける。これはアタッカーにおいては致命的とも言える問題である。プレーの種類が少なく単調。スピード感もない。代表でスタメンを張り続ける力はない。現在20歳。これから伸びる要素があるのか、現在がマックスなのか、微妙だ。将来はバラ色という感じではない。

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