宮本恒靖が語る、アジアカップで優勝するために必要な「2つの条件」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

 UAEで開催されている今大会でも、決勝トーナメントに入ってから、ターニングポイントとなる試合がやってくるだろう。日本が5度目の栄冠を手にするためには、そのゲームをモノにできるかどうかが重要になる。

 宮本はもうひとつ、チームが勝ち抜いていくためには大事なことがあると言う。

「チーム構成は、大事だなって思いますね。2010年の南アフリカW杯の際には(川口)能活が(チームを)引っ張って、まとめていたじゃないですか。そういう選手の存在って、とても重要なんです。

 やっぱり、試合に出られない選手は不満が募るんです。『どうせ、試合に出られないしなぁ~』と思ってしまう。そのとき、ベテラン選手などが『そうは言うけど、やるべきことをしっかりやろう』と言えるかどうか。そういう選手がいるかどうか、ですね。

 でも逆に、そこで(サブ組の誰もが)『やってられない』といった状況になってしまうと、チーム全体の雰囲気が悪くなる。だから、メンバー構成によって(チームを)まとめられる存在、そういうベテラン選手がいることは非常に大事だと思います」

 2004年大会では、藤田俊哉をはじめ、三浦淳宏らベテランが試合に出場できないなか、日々のトレーニングを黙々と消化。試合になれば、出場メンバーたちを献身的にサポートした。その姿を見て、若手のサブメンバーたちもふて腐るようなことなく、チームを盛り立てた。

 おかげで、ピッチに立つ宮本らレギュラー組も、試合で存分に力を発揮することができた。藤田や三浦らベテランが、まさに戦いやすい環境を作ってくれたわけだ。

 現在アジアカップに臨んでいる森保ジャパンであれば、その役割を果たせるのは、青山敏弘か、戦列を離れた中島翔哉に代わって急遽招集された乾貴士あたりになるのだろうか。

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