宮本恒靖が語る、アジアカップで優勝するために必要な「2つの条件」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

「本当は、満員の観衆のなかで優勝カップを掲げたかったんですけどね」

 宮本は主将として、優勝カップを掲げられる栄誉を存分に噛みしめ、優勝したこのチームを誇りに思った。

2004年アジアカップ、日本は厳しい戦いを次々に制して頂点に立った。photo by (C)Ryuichi Kawakubo/AFLO SPORT2004年アジアカップ、日本は厳しい戦いを次々に制して頂点に立った。photo by (C)Ryuichi Kawakubo/AFLO SPORT あれから、15年が経過した――。

 今、森保一監督が率いる日本代表がアジアカップを戦っている。あの15年前の優勝経験から、同大会を勝ち抜くポイントはどこにあるのか、宮本に聞いた。

「難しい試合が続くと思いますけど、ターニングポイントになる試合が必ずあるんですよ。自分たちのときは、ヨルダン戦、バーレーン戦がそうだった。前回の2015年大会では、PK戦となった準々決勝のUAE戦で(6人目の)香川(真司)がPKを外して負けた。そういう大事な試合で勝ち切れるかどうか、ではないでしょうか」

 優勝経験者の言葉は確かだ。

 2004年中国大会以来、2大会ぶり4度目の優勝を飾った2011年カタール大会でも、厳しい試合を勝ち抜いての戴冠だった。準々決勝のカタール戦では、DF吉田麻也が退場。数的不利な状況のなか、最後は伊野波雅彦が逆転ゴールを奪って勝った。さらに準決勝の韓国戦では、PK戦にまでもつれ込んだ激闘を制した。

 2004年中国大会と同じく、準々決勝、準決勝の2試合がポイントとなった。とりわけ、常に相手に先手を許す苦しい戦いとなったカタール戦の勝利が大きかった。劣勢の試合を勝ち抜いてきたことが、決勝進出につながった。

 そうして、延長戦に及ぶオーストラリアとの死闘を制して優勝した。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る